今日は、山形から新潟への移動日。

移動日、
なんて響きのいい言葉なんだろう。

朝からチェックアウトまで
ホテルの部屋で仕事をしたから、
移動中は仕事をしないと決め、
パソコンはキャリーケースにしまっている。

スキットルには
友人のバーテンダーが
最近バランスがよくなっているといった
ジョニ黒を入れてきた。

でかける前に
なぜか「トニオ・クレーゲル」に手が伸びた。

文字が小さい昔の文庫本を再読しながら、
ウイスキーをちびちびとやり、
目がつかれたら
小さな嵐に濡れた田舎の風景をみて、
ほっと吐息をつく。

汽笛が鳴いた。
遠いあの日のことが思い起こされた。

目的地までは、
あと、3時間10分ほどだ。

関連記事

  1. 2023.6.1

    旅の相棒としての靴

      J. M. WESTONを「靴のロールスロイス」とたとえたのは松山猛だったと思う。その紹…

    旅の相棒としての靴
  2. 2019.12.21

    距離を置く。

    1年ほど前、うっかり床に落として動かなくなった時計。親父の形見で、もう40年も前のも…

    距離を置く。
  3. 2023.5.7

    新宮の原稿用紙

      白浜で仕事があった。その前日の予定がなにもなかったので、いい機会だと考えて朝一の「くろし…

    新宮の原稿用紙
  4. 2023.3.18

    古本とラジオ

    劇場で「丘の上の本屋さん」、試写会で「午前4時にパリの夜は明ける」を観た。 …

    古本とラジオ
  5. 2023.5.5

    車窓のツーリストカップ

     「スキットルはないけれどこれはどうだ」 バンブーの露天商のムッシュがガラスケースのなか…

    車窓のツーリストカップ
  6. 2023.7.11

    その靴屋の開店時間は朝の8時。

       ヨーロッパでもアメリカでも、エスタブリッシュメント的ポジションにいるビジネスマンはほん…

    その靴屋の開店時間は朝の8時。
  7. 2024.3.13

    旅先の古本屋

    旅へでると半端な時間に思案することがよくある。どこかへ行くには時間が足りない。カフェで潰すに…

    旅先の古本屋
  8. 2020.2.22

    3千円1本勝負、200突破記念。

    FM COCOLOのラジオプログラム「門上西林物見遊山」では、毎月最終土曜日…

    3千円1本勝負、200突破記念。
  9. 2023.5.3

    香港の万年筆

      万年筆を使うようになったのは30代前半からだ。 昭和の作家は原稿用紙のマス目に彫刻す…

    香港の万年筆