友人のコピーライターで、
鎌倉で喫茶ギャラリー「アピスとドライブ」を
営んでいる後藤さんが企画した
「糸井重里と仲畑貴志のコピー展」。

糸井さんと仲畑さんがお相手について書いた文章に
刺激し合う同志の永遠の絆を感じたり。

TCCのクリエーターが 
ふたりのコピーなら私はこれ!
と選んだものをみて、
この方はこれを選ぶのかと
俯瞰から唸ったり、微笑んだり。

なぜここは受け点ではなくて受けマルなのか、
漢字じゃなくてここはひらがななんだよね。

選者の言葉をじっくり読んでいくと
これは回顧展ではなく、
言葉の可能性と未来を暗示する展示なんだと
身体の内側からホクホクとした喜びが込み上げてくる。

見終わったあと、背筋が少し伸びている。
また明日もデスクに向かおうと思えてくる。
言葉は少ないけれど、行間が雄弁に語っていて、
その質量が自分の熱量に点火してくれる。

春の嵐と呼びたい雨と風のなか
小津安二郎の映画に出てきそうな小径を
奥へ奥へと向かってよかったとしみじみ思った。

その証拠に、帰り道、鎌倉のトンネルの道の風景も
まるで違うものに見えた。

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