日曜日の午後、
夕方のハイボールタイムまで、
旅の相棒のお手入れ。

J. M. WESTONのゴルフと
取材の旅をいっしょにするようになって20年以上になる。

どんな厳しい場所でもバシバシ歩ける頑強さと、
靴を脱がなくてはならないところでも、
その佇まいをみて恥ずかしくなることのない
エレガントさを兼ね備えている。
 
スーツにもデニムにも映える懐の深さも心強い。

たしかに履きこむほどに、
革は輝きやハリを失い、傷もつくけれど、
それこそいっしょに時間を過ごした証。
シワを味わいに変えるのは
その靴が持つ質と履く人の愛しみだと思う。

だからこそお手入れは怠らず、
汚れを落として、クリームを塗りこんで、
ワックスで仕上げる。

好きな音楽やラジオを聴きながら30分。

何ヵ月に1回の手入れと、
数年に1度の踵のラバーの取り替えさえ
怠らなければ、
10年でも20年でも30年でも履くことができる。

ここ数年の値上がりには、
目が点になって、手も足も言葉もでないけれど、
長い目でみれば高い買い物ではないと思う。

今年は、あと、宮城、熊本、北海道の取材が控えている。
頼むぜ、相棒。
コロナウイルスにかからない、うつさないことを
徹底的に気をつけながら
いっしょに乗り越えて行こう。

関連記事

  1. 2023.5.3

    香港の万年筆

      万年筆を使うようになったのは30代前半からだ。 昭和の作家は原稿用紙のマス目に彫刻す…

    香港の万年筆
  2. 2023.4.18

    発売1ヵ月で重版決定!

     大阪のタクシー会社の社長・坂本篤紀さんの初めての本、「維新断罪」の制作のお手伝いをしました…

    発売1ヵ月で重版決定!
  3. 2022.10.2

    バー露口

    またひとつ、名店が灯りを落としました。バー露口。はじめて訪れたのは2016年。見ず知らず…

    バー露口
  4. 2023.7.11

    その靴屋の開店時間は朝の8時。

       ヨーロッパでもアメリカでも、エスタブリッシュメント的ポジションにいるビジネスマンはほん…

    その靴屋の開店時間は朝の8時。
  5. 2023.5.7

    新宮の原稿用紙

      白浜で仕事があった。その前日の予定がなにもなかったので、いい機会だと考えて朝一の「くろし…

    新宮の原稿用紙
  6. 2020.1.13

    つつんで、ひらいて

    1万5千冊をデザインした装幀者・菊池信義さんと本をつくる人々のドキュメンタリー、…

    つつんで、ひらいて
  7. 2019.9.1

    カーマイン・ストリート・ギター

    観終わったあと、思わずギターが弾きたくなる。そんなにうまくはないけどね。ニューヨ…

    カーマイン・ストリート・ギター
  8. 2023.5.2

    蒸留所の名がないウイスキー

    フランスにおいしいウイスキーもあるのですよ。そう告げるとちょっと驚いた様子のあとで、フランス…

    蒸留所の名がないウイスキー
  9. 2023.6.1

    旅の相棒としての靴

      J. M. WESTONを「靴のロールスロイス」とたとえたのは松山猛だったと思う。その紹…

    旅の相棒としての靴