観終わったあと、思わずギターが弾きたくなる。
そんなにうまくはないけどね。

ニューヨークの廃材から
ギターを作りつづける職人、
リック・ケリーと
そのお弟子さんのシンディ・ビュレットの
1週間を記録したドキュメンタリー。

ジム・ジャームッシュの
「パターソン」に構成が似ていると思ったら、
扇動者がジャームッシュなんですね。

1時間20分の映画は、
素敵な音色と職人技と名言の
オンパレード。

「建築を支えた古材をギターに変えて
新たな命を吹き込むんだ」

「古材はすべてありのまま、手を加えない」

「傷跡を隠す?
顔に刻まれたシワがその人の人生を語るんだ」

「生業としてやっているが、
ただの仕事じゃない。それ以上だ」

捨てるだけの廃材を、
傷も染みもまるごと生かして
作られたギターの音色に
頬をゆるめるのは、
なうてのミュージシャンだけでなく、
観ているわれわれも同じなのだ。

観終わったあとにつつまれる
このあたたかな気持ちはなんだろう。

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