友人のコピーライターで、
鎌倉で喫茶ギャラリー「アピスとドライブ」を
営んでいる後藤さんが企画した
「糸井重里と仲畑貴志のコピー展」。

糸井さんと仲畑さんがお相手について書いた文章に
刺激し合う同志の永遠の絆を感じたり。

TCCのクリエーターが 
ふたりのコピーなら私はこれ!
と選んだものをみて、
この方はこれを選ぶのかと
俯瞰から唸ったり、微笑んだり。

なぜここは受け点ではなくて受けマルなのか、
漢字じゃなくてここはひらがななんだよね。

選者の言葉をじっくり読んでいくと
これは回顧展ではなく、
言葉の可能性と未来を暗示する展示なんだと
身体の内側からホクホクとした喜びが込み上げてくる。

見終わったあと、背筋が少し伸びている。
また明日もデスクに向かおうと思えてくる。
言葉は少ないけれど、行間が雄弁に語っていて、
その質量が自分の熱量に点火してくれる。

春の嵐と呼びたい雨と風のなか
小津安二郎の映画に出てきそうな小径を
奥へ奥へと向かってよかったとしみじみ思った。

その証拠に、帰り道、鎌倉のトンネルの道の風景も
まるで違うものに見えた。

関連記事

  1. 2023.4.18

    『維新断罪』発刊記念イベント、無事終了。

    大阪のタクシー会社の社長・坂本篤紀さんの初めての本、「維新断罪」の制作のお手伝いをしました。…

    『維新断罪』発刊記念イベント、無事終了。
  2. 2019.9.1

    カーマイン・ストリート・ギター

    観終わったあと、思わずギターが弾きたくなる。そんなにうまくはないけどね。ニューヨ…

    カーマイン・ストリート・ギター
  3. 2024.5.16

    高村山荘

     空港のすぐそばにあると知ったのは最近のことだった。降り立つ機会があれば、延泊し…

    高村山荘
  4. 2023.5.4

    室蘭の焼き鳥

      焼き鳥といえば、肉は鶏という思い込みは旅の途中で消えた。 職人をめぐる取材の旅で…

    室蘭の焼き鳥
  5. 2023.5.6

    はじまりとしての法隆寺

      大阪に住んでいてよかったと思うことのひとつは、古都が近くにあることだ。 京都が太陽だ…

    はじまりとしての法隆寺
  6. 2020.12.12

    旅の相棒

    日曜日の午後、夕方のハイボールタイムまで、旅の相棒のお手入れ。J. M. WESTO…

    旅の相棒
  7. 2023.4.18

    発売1ヵ月で重版決定!

     大阪のタクシー会社の社長・坂本篤紀さんの初めての本、「維新断罪」の制作のお手伝いをしました…

    発売1ヵ月で重版決定!
  8. 2023.6.22

    ボビーズ・バー、マスター御歳91歳!

     会計をしたときにね、これから女性と会うんですよといえば、バーテンダーはお客さまの手にジ…

    ボビーズ・バー、マスター御歳91歳!
  9. 2022.10.2

    バー露口

    またひとつ、名店が灯りを落としました。バー露口。はじめて訪れたのは2016年。見ず知らず…

    バー露口