出張先のホテルのエントランスで何気なく手にとり、
しばし時間を忘れた1冊。

谷崎潤一郎の文と、大川裕宏の写真。

文が絵解きになっていないことはもちろん、
写真が文をなぞっていない。

何度も読んだ『陰翳礼讃』に、
目ざめの水のような峻烈が走った。

旅先の出会いは、
人や食や風景だけとは限らない。

この本を鞄の底にしのばせて、
まだ陰が残る町へ走る列車に再び乗りたくなった。

関連記事

  1. 2023.4.18

    『維新断罪』発刊記念イベント、無事終了。

    大阪のタクシー会社の社長・坂本篤紀さんの初めての本、「維新断罪」の制作のお手伝いをしました。…

    『維新断罪』発刊記念イベント、無事終了。
  2. 2023.5.6

    はじまりとしての法隆寺

      大阪に住んでいてよかったと思うことのひとつは、古都が近くにあることだ。 京都が太陽だ…

    はじまりとしての法隆寺
  3. 2019.12.21

    距離を置く。

    1年ほど前、うっかり床に落として動かなくなった時計。親父の形見で、もう40年も前のも…

    距離を置く。
  4. 2024.3.13

    旅先の古本屋

    旅へでると半端な時間に思案することがよくある。どこかへ行くには時間が足りない。カフェで潰すに…

    旅先の古本屋
  5. 2021.10.30

    移動日

    今日は、山形から新潟への移動日。移動日、なんて響きのいい言葉なんだろう。朝からチェッ…

    移動日
  6. 2020.12.12

    旅の相棒

    日曜日の午後、夕方のハイボールタイムまで、旅の相棒のお手入れ。J. M. WESTO…

    旅の相棒
  7. 2019.9.1

    カーマイン・ストリート・ギター

    観終わったあと、思わずギターが弾きたくなる。そんなにうまくはないけどね。ニューヨ…

    カーマイン・ストリート・ギター
  8. 2020.12.30

    希望と、共に。

    今年も、なんとか仕事を納めることができました。社員と、恒例の、納会。思えば、たくさん…

    希望と、共に。
  9. 2021.11.12

    新刊『音楽の聴き方』発売決定!

    誕生日も旅の空の下。出張で鹿児島にきています。ありがたいことです。さて、お知らせを1…

    新刊『音楽の聴き方』発売決定!