焼き鳥といえば、肉は鶏と思い込んでいましたが、
室蘭では違うようです。
全国の職人の仕事を取材する旅の
今期の最後が北海道。
氷点下の苫小牧、室蘭、小樽を巡りました。
室蘭で一泊。
ソウルフードは焼き鳥で、
その肉は豚と知ったとき、血が騒ぎました。
焼き鳥で、豚?
そういえば、北海道の友人が
豚もつの串焼きを焼き鳥と言っていたのを
思い出したからです。
日中戦争で軍人さんの靴の素材にするために
豚の飼育が奨励され、精肉と皮以外は
自由にしていいということで、
おいしくいただく文化が育まれたとか。
戦後、ブロイラー鶏が流通するまでは、
鶏はとても高価だったので、
そのモツで代用したのが焼き鳥の発祥とか。
その土地で生き延びるための知恵と工夫が、
その地の名物になることはよくあること。
室蘭の焼き鳥は、その好例かもしれません。
これはいただかないわけにはいかない。
カメラマンとホテルをでて、
凍った道をそろりそろりと歩きながら、
一平本店の扉を開けました。
6時にもなると、地元の方で満席。
リーズナブルで、おいしい。
それは流行りますね。
地元の方のことばをBGMがわりに、
串とモツ煮をアテに、ビールを。
室蘭の夜がやさしく開いていくのでした。